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期待リターンとリスクはアセットアロケーション次第?

フィデリティ証券

長期間にわたり資産形成、資産運用を継続するためには、適切なリスクコントロールが大切です。今回は、運用資産の配分割合(アセットアロケーション)によって期待リターンとリスクがどう変化するのか、過去のデータをもとに、世界株式と世界債券という2つの資産クラス(注)を組み合わせた複数のポートフォリオでご説明します。

注:一般的には債券よりも株式の方がリターンやリスクは高くなるとされています。本記事では過去のデータを使って検証していますが、今後の期待リターンについても同様の傾向があると期待されると考えています。
 

データ分析の前提となるポートフォリオ

世界株式のみ、世界債券のみに加えて、それぞれの配分割合を「積極型」「安定型」「バランス型」の3パターンに分けた以下の5つのポートフォリオで分析します。世界株式の値動きはMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス=世界株式インデックス、円建て)、世界債券はFTSE世界国債インデックス(円建て)を使用します。

  1. 世界株式インデックス
  2. 株式への配分割合が多い「積極型」(世界株式80%、世界債券20%)
  3. 株式と債券の配分割合が同じ「バランス型」(世界株式50%、世界債券50%)
  4. 債券への配分割合が多い「安定型」(世界株式20%、世界債券80%)
  5. 世界債券インデックス

1989年12月から2021年12月までの各ポートフォリオの値動きは以下の通りです。それぞれのポートフォリオの値動きを見ると世界債券インデックスが最も安定し、そのほかのポートフォリオは株式の割合が高くなるにつれて、値動きの変動幅が大きくなっています。

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株式の割合が高いほどハイリスク・ハイリターンに

各ポートフォリオについて、1989年12月から2021年12月まで32年間運用した場合のリターンとリスク(いずれも年率換算=毎年の平均値)を計算すると、以下の結果となりました。リスクはリターンの標準偏差(ばらつき具合)でボラティリティとも呼ばれ、値動きの大きさを表しています。

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この表を見ると、世界株式への配分割合が高いほど期待リターン、リスクが高くなると言えます。このリターンとリスクをもとにシャープレシオも計算します。シャープレシオとは運用効率を測るモノサシです。値が高いほど、そのリスクを取ったことで得られるリターンが高いことを示します。リターンが高く、リスクが低いほどシャープレシオは高くなります(シャープレシオの詳しい説明は「自分のポートフォリオをチェックしよう」をご参照ください)。

世界株式のみで運用するポートフォリオは高いリターンを得られた一方で値動きも大きく、シャープレシオは0.40と5つのポートフォリオの中で最も低くなりました。一方、安定型や世界債券のみで構成するポートフォリオは世界株式のみのポートフォリオと比べてリターンが低い一方、世界株式のように大きな値動きがなく安定してリターンを獲得していたため、シャープレシオが0.60程度と高く、より効率的に運用できたと言えます。

実際のリターンのブレ幅は?

これまで各ポートフォリオのリスクを確認しました。では、実際のリターンはどのくらい変動していたのでしょうか。以下では①32年間運用した場合の毎年のリターンの平均値、投資期間1年間で得られたリターンの②最大値と③最小値をグラフに記しています。

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世界株式のみのポートフォリオの場合は投資期間1年のリターンが最大で63.2%となった一方で、最悪の場合には50%超も値下がりしています。世界債券のみのポートフォリオでは最大リターンが30.2%、最小はマイナス21.4%と、世界株式と比べて値動きの幅が小さかったことが読み取れます。積極型、バランス型、安定型の3つのポートフォリオは2つの資産クラスの間に位置しています。

つまり、複数の資産クラスを組み合わせれば、ご自身に適したリターンやリスクの水準にコントロールできます。もちろん、こうした資産配分が難しい場合にはバランスファンドなど、各資産クラスの割合を自動的に調節する投資信託があります。こうしたファンドは一般的に、配分比率が一定になるよう自動的にリバランスされるため、運用の手間がかかりません。

まとめ

一般的に株式はハイリスク・ハイリターン、債券はローリスク・ローリターンとされていますが、これらをうまく組み合わせることで、ご自身のリスク許容度に適した水準のリスク・リターンを持つポートフォリオを構築できます。

マーケットはどうしても日々の値動きがありますが、長期の資産形成や資産運用においては、個別証券の日々の値動きよりも、適切なアセットアロケーションを維持するように意識してリスクコントロールしていくことが大切です。

注:本試算では、信託報酬など手数料を考慮していませんので、一般的に投資信託などで透視される際の実際のリターンは本試算結果よりも低下することになります。

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