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長期投資の重要性について

フィデリティ証券

資産形成では「長期・分散・積立」を前提にした投資が重要だと言われています。安定したリターンを得るためには、この3つはどれも欠かせません。その中でも今回は「長期投資」の重要性について考えてみます。長期投資が老後を見据えた資産形成に本当に有効かどうか、データを基にご紹介します。

大きなリターンをもたらすのは付加価値の積み上がり

なぜ長期投資が大切なのでしょうか。「サラリーマン大家」という呼び方が広がるほど資産運用の手段として身近になった、不動産投資で考えてみましょう。

不動産投資で受け取れる毎月の家賃収入は、オーナーとして物件を保有する期間に比例します。保有期間が1カ月であれば、オーナーとして入居者から受け取れる家賃は1カ月分のみです。20年間(240カ月)であれば240カ月分です。

物件の保有期間が長期になるほど、入居者の退去などによる空室リスクは大きくなります。とはいえ、わずか1カ月で物件を手放すよりも、長期にわたり物件を保有したほうが期待できる家賃収入の総額は多くなります。つまり、保有期間が長期になるほどリスクが大きくなる一方、リターンの大きな積み上がりも期待できるのです。

株式はいかがでしょうか。株式と言うと株価の動きに注目しがちですが、株式を発行している株式会社の活動に目を向けてみましょう。株式会社は、商品やサービスといった付加価値を世の中に提供して売り上げを稼ぎ、必要な経費を支払った上で利益を得ます。

景気変動の影響を受けたり、企業の成長スピードが変わったりして、売り上げや利益が減少することはあります。しかし、5年、10年、20年、30年と長期になるほど、世の中に提供した付加価値の総額が積み上がり大きくなっていくことが考えられます。結果として、株主にもたらされるリターンも大きくなっていくと想定されます。

資産形成では、付加価値が生み出され、その価値の積み上がりがリターンの源泉となるような株式や不動産(REIT、リート)などの資産に、長期間にわたってしっかりと投資していくことが大切です。

世界株式と世界国債への30年超にわたる長期投資の結果は?

資産形成で長期投資が本当に有効か、データを使って検証します。下記のグラフはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(世界株式)、FTSE世界国債インデックス(世界国債)という、世界の投資家が参考とする2つの指数の推移を示しています(月次ベース、1989年12月末=100)。いずれもトータルリターン(値上がり益や配当金などを含むリターン)です。

グラフを見ると、世界株式は2021年12月末で901.3、世界国債は404.8と、それぞれ約9倍、約4倍に増えています。単純化すると、例えば1989年12月末に100万円を投資して運用を始めた場合、2021年12月末時点での運用資産残高はそれぞれおよそ900万円、400万円になります。

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世界株式、世界国債とも一本調子の上昇ではありません。特に世界株式は変動が激しく、世界的な金融危機が起きた2008年ごろは、直近の高値と比べて6割ほど下落しました。それでも、下落した分を4~5年で取り戻し、足元では金融危機前の水準と比べて2.5倍上昇しています。

世界株式に5年、20年投資した場合のリターンの分布は?

ただ、投資タイミングは人それぞれ。絶好の機会に投資を始め、30年超も投資し続けられる人ばかりではありません。それでは、バラバラのタイミングで(1)比較的短い5年、(2)長めの20年それぞれの期間で投資を続けた場合では、十分なリターンを得ることができるのでしょうか? データを基に、検証します。

以下のグラフは世界株式に5年、20年の2つの期間で投資した際の、1年当たりの平均リターン(年率リターン)の分布を示しています。左軸は回数で、すべての投資開始タイミングのうち、そのリターンが得られた回数を表します。

例えば投資期間が5年であれば、1989年12月末から2021年12月末までの間に5年間続けて投資できるタイミングは1989年12月末から2016年末までのいずれの月で、計325回(月)あります。そのうち、いずれかのタイミングで投資を始め、5年経過した後の運用成果を、1年当たりの平均リターンに換算しています。

(1)投資期間が5年の場合

1年当たりの平均リターンは最大でプラス22.78%、最も小さい時でマイナス11.33%でした。5年という比較的短いスパンで投資する場合は投資タイミングに影響されがちで、その分、リターンも不安定になっています。

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(2)投資期間が20年の場合

最大リターンはプラス9.33%、最小はプラス3.23%で、投資開始タイミングを問わずプラスのリターンが得られました。リターンの中心はプラス4~6%、プラス6~8%です。(1)と比べて得られた最大リターンは小さい一方、マイナスもなく、比較的安定していると言えます。

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過去を振り返ると、株式相場が急落するようなイベントは少なくありません。投資期間が短ければその分、急落の影響を受けやすく、失ったリターンを取り戻す機会も限られるため、タイミング次第で大幅なマイナスリターンとなる可能性が高くなります。

一方で、投資期間が長期になるほどリターンのバラツキが少なくなり、タイミングに左右されず安定したリターンが得られることを確認できました。長期投資の重要性がご理解いただけるのではないかと思います。

世界国債に5年、20年投資した場合のリターンの分布は?

世界国債についても、同様に確認します。国債は株式と比べてリスクが小さい分、リターンも小さくなります。そのため、そもそも株式と比べたリターンのバラツキは少ないです。

(1)投資期間が5年の場合

最大リターンはプラス13.23%、最小はマイナス1.87%でした。株式と比べて債券は値動きが小さいものの、価格に影響するイベントは株式と同じぐらいあります。そのため、投資タイミングによってリターンはややバラツキます。

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(2)投資期間が20年の場合

投資期間が長くなると、(1)と比べてリターンはより狭い範囲に集中します。ほとんどの投資タイミングで4~6%のプラスリターンとなっています。最大リターンはプラス6.46%、最小値はプラス2.84%です。

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まとめ

一般的に資産形成や資産運用の目的の1つはお金を増やしていくこと、つまり長期にわたってプラスのリターンを獲得し続け、老後資産を安定的に、着実に積み上げることです。先ほどご紹介したグラフでは、短い投資期間ではマイナスリターンとなることがあった一方で、より長期的な投資をするほど安定してプラスリターンが獲得しやすくなることが確認できました。こうした点を意識して資産形成の取り組んでみましょう。

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