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「ねんきん定期便」は年に1回、誕生月に日本年金機構から受け取るハガキです。年金の加入状況など大事な情報が記載されていますが、年1回なのでどこをどう見たらよいのか忘れることもあるでしょう。「ねんきん定期便」の見方を50歳未満のケースでご説明します。
「ねんきん定期便」とは
「ねんきん定期便」とは、自身の年金の加入記録を確認したり、老後の生活設計を考えたりする際に役立つ大事なお知らせです。節目年齢と言われる35歳、45歳、59歳に受け取る封書形式のものと、節目年齢以外の年に受け取るハガキ形式のものがあります。
ハガキ形式のものはさらに50歳以上と50歳未満の2種類に分かれています。ここでは、50歳未満の場合に受け取るハガキ形式の「ねんきん定期便」についてご説明します(50歳以上の場合は以下の記事を参照)。
「ねんきん定期便」 のハガキの見方(表面、50歳未満)
「ねんきん定期便」は表面と裏面の両方が見開きになっています。2023年度版(令和5年度版)の5月以降送付分をもとに、表面から確認しましょう。
令和5年度「ねんきん定期便」(50歳未満)の表面、5月以降送付分、日本年金機構のサンプルをもとに
フィデリティ証券が作成
①照会番号
照会番号は「ねんきん定期便」について日本年金機構等に問い合わせをする際に、担当者に伝えます。
②これまでの加入実績に応じた年金額(昨年)・(今年)
「これまでの加入実績に応じた年金額(昨年)」には1年前の「ねんきん定期便」で通知された、前年までの加入実績に応じた年金額が年額で記載されています。
その右側にあるのが「これまでの加入実績に応じた年金額(今年)」です。保険料を納付し続けていれば、左にある金額よりも増えているでしょう。翌年以降も保険料をしっかり納めることで、棒グラフのイメージが示すように年金額は増えていきます。
どのぐらいもらえるのか、確認したい場合は以下の記事をご参照ください。
公的年金はいくらもらえる?
③最近の月別状況です
直近の加入状況が記載されています。会社員であれば加入区分の欄に「厚年」と記載されています。
加入区分の右側には厚生年金保険料や年金受給額を決める際の計算のもととなる標準報酬月額、標準賞与額、納付した保険料額が記載されています。記載される金額の最大は標準報酬月額が65万円、標準賞与額は150万円です。
「ねんきん定期便」 のハガキの見方(裏面、50歳未満)
続いて裏面を確認しましょう。
令和5年度「ねんきん定期便」(50歳未満)の裏面、5月以降送付分、日本年金機構のサンプルをもとに
フィデリティ証券が作成
④これまでの保険料納付額(累計額)
これまでにいくら保険料を納付したのか、合計額が記載されています。「(1)国民年金保険料」とあるのは、学生や自営業者などの期間に支払った保険料の合計額、「(2)厚生年金保険料(被保険者負担額)」は会社員や公務員の期間に支払った保険料の合計額です。
⑤これまでの年金加入期間
これまで年金に加入した期間が年金制度別などで細かく区分けされています。すべての加入期間を合算した「受給資格期間」が120カ月以上であれば、老齢年金を受け取れます。
⑥これまでの加入実績に応じた年金額
これまでの加入実績に応じた年金額です。太線で囲んである「(1)と(2)の合計」は、表面の②「これまでの加入実績に応じた年金額」のグラフと同じ金額が記載されています。
⑦ねんきんネットの「お客様のアクセスキー」
年金記録などをオンラインで確認できるインターネットサイト「ねんきんネット」を利用する際に使用する、ユーザーIDを取得するためのものです。
まとめ
「ねんきん定期便」にはたくさんの情報が載っていますが、見方は難しくありません。ご自身がどのぐらい年金を受け取れるのかを把握できる大事なハガキ(書類)なので、一度は確認しましょう。また、「ねんきんネット」ではいつでも最新の年金記録や年金額を確認できます。年金額のシミュレーションなどもできるので、ぜひ登録してみてください。
定年退職後のセカンドライフを考える上で、安定した収入源やまとまった貯蓄があることは大きな安心感にもつながります。「ねんきん定期便」に記載された年金額に不安があれば、早いうちから将来に向けて資産形成を始めてみてください。