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資産運用で欠かせないリバランスとは?

フィデリティ証券

老後の資金づくりなど長期的な目標を持って資産運用をするためには、安定したリターンの積み重ねが大切です。リスクを取りすぎたり、減らしすぎたりしないようポートフォリオのリバランスをして、リスク許容度(どのぐらいリスクを取れるか)に合ったリスク水準を保つことが欠かせません。リバランスの具体的な方法などをご紹介します。

リバランスとは?

ポートフォリオに組み入れる金融資産(アセットクラス)には値動きがあります。そのため、資産運用を始める前に決めたアセットアロケーション(ポリシーアセットアロケーション)と、実際に運用しているポートフォリオのアセットアロケーションは、ずれる可能性があります。組み入れ資産を売買するなどして、このずれを修正する行為をリバランスと言います。

アセットアロケーションとは?

例えば、株式相場の上昇でポートフォリオ全体に占める株式の配分割合が高くなった場合は、株式を売って債券などほかのアセットクラスを買うなどして、アセットアロケーションを調整します。一方、株式だけが値下がりして配分割合が大きく低下したときは、ほかのアセットクラスを売って株式を買い増すなどします。

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リバランスのメリットはリスクの適正化とリバランスボーナス

リバランスの目的は主に2つあります。自分の資産運用の目的に合ったリスク水準を保つ「リスクの適正化」と、リターンの改善効果が期待できる「リバランスボーナス」です。

(1)リスクの適正化

資産運用の目的をしっかりと定めてアセットアロケーションを考え、ポートフォリオを構築したとしても、時間の経過とともに実際の配分割合は変わります。株式や債券、これらを組み入れた投資信託など、値動きのある金融資産(金融商品)で運用するためです。

特定のアセットクラスへの配分割合が高くなると、ポートフォリオ全体が特定のアセットクラスの値動きに影響されやすくなります。株式の割合が高ければ、ポートフォリオ全体のリターン(運用成果)が株価の変動などでぶれやすくなります。一方、株式と比べてリスクが低いとされる債券の割合が高くなると、十分なリターンが得られない可能性があります。

積み上げるリターン、そのリターンを得るために取るべきリスクは、資産運用の目的などによって変わります。目的の実現のためには、自分で決めたリスク水準をある程度保てるよう、リバランスをすることが望ましいとされます。

(2)リバランスボーナス

リバランスには、リバランスボーナスという効果も期待できるとされています。ポリシーアセットアロケーションとのずれが値動きによるものであれば、リバランスは「値上がりしたアセットクラスを売り、相対的に割安なアセットクラスを買い増す」という投資行動につながります。安く買って高く売る、という取引を繰り返すことで、リバランスを実施しない場合と比べて、リターンが改善する可能性があります。

リバランスの具体例

リバランスの流れを具体例で説明します。当初のアセットアロケーションが株式60%、債券30%、不動産(REIT)10%だった場合を考えます。運用資産額が100万円であれば、それぞれの運用額は60万円、30万円、10万円です。

市況の変動によって、運用を始めてから1年後に株式が10%上昇、債券が10%下落、不動産(REIT)が70%上昇したとすると、運用額は株式が66万円、債券は27万円、不動産は17万円となり、アセットアロケーションは以下のように変化します。

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株式の配分割合は、1年後も60%です。一方、債券の割合は25%に低下し、不動産(REIT)は15%に上がっています。当初のアセットアロケーション通りであれば、運用資産110万円の内訳は株式が66万円、債券が33万円、不動産(REIT)は11万円となるべきです。

リバランスによって当初のアセットアロケーションを戻すためには、値上がりして配分割合が高まった不動産(REIT)の6万円分を売却し、そのお金で債券を買い増す必要があります(売買に伴う取引手数料や譲渡益への課税は考慮せず)。

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リバランスのデメリットはコストがかさむこと

リバランスはいいことずくめに思えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。値上がりして含み益があるアセットクラスを売る場合は、一般的に、売却益(譲渡益)に対して課税されます。売買を繰り返すことで、取引手数料がかさむ可能性もあります。

こうしたコスト負担を避ける方法は、いくつかあります。バランス型と呼ばれる投資信託(投資信託協会の「商品分類表」では資産複合)は、あらかじめ決めたアセットアロケーションからずれると、ファンド内でリバランスが行われます。ファンド内での売買になるため直接的に負担する取引手数料はなく、課税の対象にもなりません。

このほか、確定拠出年金での運用も考えられます。運用で得た利益は非課税ですし、基本的に取引時の手数料も発生しません(投資信託によって信託財産留保額が設定されている場合には、売却時にその負担が発生する場合もあります)。

ライフプランの変更時などで行うリアロケーション

リバランスと似た言葉に「リアロケーション」があります。これはポリシーアセットアロケーションそのものを変更することを意味しています。以下のグラフは株式60%、債券30%、不動産(REIT)10%のアセットアロケーションを株式40%、債券55%、不動産(REIT)5%へと変更する場合の例です。

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リアロケーションは結婚や定年退職など、さまざまなライフイベントによってその後のライフプランや資産運用の目的などが変わる場合に実施します。毎年のように行うものではありませんが、何らかのライフイベントがある場合や5~10年に1回などの時間軸で見直すとよいでしょう。

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