メディアなどでよく「人には3つの寿命がある」との表現を目にします。「生命の寿命」、「健康の寿命」、そして「お金の寿命」です。幸せな人生を送るには、この3つをなるべく近づけることが大切、といわれています。
日本人の生命寿命は?
「人生100年時代」といわれていますが、いまの日本人の生命寿命(何歳まで生きるか)をご存じでしょうか? 厚生労働省の「令和2年簡易生命表」(2020年)によると、男性の平均寿命は81.64歳、女性の平均寿命は87.74歳です(いずれも0歳児の平均余命)。 2010年時点では男性が79.64歳、女性は86.39歳。医学の進歩などを背景に、少しずつ延びています。もちろん、これはあくまで平均。実際にはもっと長生きする人もいます。
健康寿命は生命寿命と同じでない
最近になってよく耳にするのが、健康寿命です。健康寿命とは「健康上の問題で制限されることなく日常生活が送れる期間」です。厚生労働省の「令和2年版厚生労働白書」(2020年)では、2016年時点の男性の健康寿命を72.14歳、女性では74.79歳と推計しており、同時点の平均的な生命寿命よりも10歳前後、短くなっています。
いつまでも健康で幸せな人生を送るためには、健康寿命を生命寿命に近づけ、できるだけQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持、向上することが大切です。
お金の寿命は生命寿命よりも少し長めに
3つ目がお金の寿命です。老後の生活費として支出するお金、受け取れる年金収入、貯蓄などから取り崩すお金、という3つのバランスでお金の寿命が決まります。長く働いて公的年金を受け取るタイミングを遅くしたり、支出を抑えたりするなど、お金の寿命をコントロールする手段はたくさんあります。生命の寿命よりも少し長いぐらいを目標にして管理していきましょう。
長期的なライフプラン、マネープランを立てながら計画的にお金と付き合っていけば、「人生100年時代」でたくさんのお金が必要になるといっても、過度に不安に感じることはありません。まずは、しっかりとしたライフプランを作ることから始めましょう。
家計管理(Budget)
家計の収支(キャッシュフロー)を把握し、健全化を図るのが家計管理(Budget)の大事な役割であり、フィナンシャル・ウェルビーイングの出発点にもなります。
負債(Debt)
負債(Debt)は主にローン(借金)のことです。ローンにはさまざまな種類があります。ローンについて理解し、賢く利用することが適切な家計管理につながります。
資産形成(Savings)
資産形成(Savings)は将来の家計管理と言えます。これから先に起こるライフイベントを踏まえてお金の使い道(ゴール)を定め、プランに沿ってお金を貯めます。
万が一への備え(Protection)
病気やケガで働けなくなった場合への備え(Protection)はとても重要です。もしもの時に慌てないよう、公的保障制度や民間の保険などへの理解を深めましょう。