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クレジットカードでのちょっとした買い物から住宅ローンまで、借金をする場面は多岐にわたります。果たして「借金は悪いこと」なのでしょうか?ファイナンシャル・プランニングの観点から、借金をするメリットとデメリットをお伝えします。
借金とは
私たちは毎月の給料など収入の範囲内でモノやサービスを購入しています。クルマなど高額な買い物であれば、一度「貯める」というアクションを挟むことも多いでしょう。ただし、今すぐに買いたいモノやサービスが収入(稼ぎ)を上回り、十分に貯蓄する時間もないときは、お金を借りて買うこともできます。
借りたお金はその後、きちんと返済する必要があります。つまり、通常であれば「稼ぐ・(貯める)・使う」という消費の流れになる一方で、借金をする場合は「借りる・使う・稼ぐ・返す」という流れになります。将来の収入を前借してまで借金をするメリットは何でしょうか?
借金のメリット
借金のメリットは先ほどもお伝えしたように、お金がなくても今すぐに欲しいモノやサービスを買えることです。住宅ローンや奨学金などは、代表例でしょう。
一般的に、住宅ローンを借りずに家を買うことは非現実的です。今すぐに何千万円ものお金を準備することは難しく、貯めようと思っても何十年もかかるでしょう。その間に住んでいる賃貸物件にもお金がかかります。しかし、住宅ローンを利用すれば、すぐにマイホームでの生活を始められます。
奨学金も同様です。お金が貯まるまで進学を待つよりも、適切な時期に奨学金を借りて大学や大学院などに進学して高等教育が受けられればその分、将来の選択肢も広がりやすいでしょう。これは未来への自己投資とも言え、専門用語では「人的資本を大きくする」などと言うこともあります。
借金のデメリット
一方で借金のデメリットは、借りたお金に金利分の利息を上乗せして返済する必要があることです。利息の分だけ、返済する金額は実際に借りたお金よりも多くなります。借金しているという心理的な負担もあるかもしれません。
また、予定通りに返済できなければ、生活するうえでさまざまなペナルティが課される可能性もあります。返済しきれず最終的に自己破産に至った場合、数年間はクレジットカードをつくったり、ローンを組んだりすることができなくなります。
まとめ
ギャンブルや身の丈に合わない生活のために、安易に借金することは望ましくありません。しかし、住宅ローンや奨学金のように、借金が快適な生活や未来への自己投資につながる場合もあります。計画的な返済計画を立て期日にしっかり返済するのは当然ですが、借金するという行為をネガティブにとらえず、上手に付き合いましょう。